自動化ツールとして注目されている
「RPA(Robotics Process Automation)」ですが、
私も「WinActor」を業務で利用した経験があります。
利用していく中で、資格も取得しました。
その上で言いますが・・・
思っていたよりずっと難しい。
しかも、自動化できる業務がほとんど無い。
という感じで、効果はイマイチな印象でした。
実際にRPAツールを利用された方は
同じような感想を持つ人も
多いのではないでしょうか。
RPAが持つ課題とは何なのか、
どうすればRPAを有効に利用できるのか、
考えていきたいと思います。
前提として そもそもRPAは簡単ではない
RPAの商品紹介などを見ると、
「プログラミングの知識が無くても」
とか、
「誰でも簡単に」
といったキーワードを良く見ますが、
ここが、そもそも誤解を与える表現だと思います。
プログラミングが出来なくても問題は無いですが、
フローチャートやアルゴリズムの考え方は
ある程度理解していないと厳しいです。
WinActorの実際の画面は、
こんな感じです。
![](https://pottora.com/wp-content/uploads/2020/11/WinActor1.jpg)
詳しい説明は省きますが、
余程単純な処理でない限り、
繰り返し・条件分岐といった処理が
どうしても必要になってきます。
そもそも手作業で面倒だと思っていることを
自動化しようとしている訳ですから、
そこまで単純な処理は扱わないんですよね。
「アルゴリズム???」
という方は、慣れるまでに時間がかかって
しまうでしょう。
課題:向き不向きが大きく、使える業務が限定される
実際にRPAを利用していても強く感じますが、
RPAには、導入に向いている業務と
向いていない業務があります。
例を軽く挙げてみます。
向いている業務
①同じことを繰り返す作業
②画面の入力作業
向いていない作業
①分岐が多い作業
②Excelでの作業
処理数の少ない単純作業は
RPAに向いています。
逆に処理数が多かったり、
分岐の条件が複雑だったりする処理は
作るのに非常に手間がかかるため、
RPAには不向きです。
自動化ツールの比較として
Excelのマクロが良く挙がりますが、
私個人の意見としては、
「マクロで出来るなら、マクロでやる方が良い」
です。
マクロの方が、困ったときの
情報量が圧倒的に多いです。
ものによってはRPAの方が作りやすい場合も
あるとは思いますが、
品質で見ると、マクロの方が良いものを作れる
可能性が高いと思います。
今度、RPAがさらに普及してくれば
話は変わりますが、
現状においては
「他のツールで出来ない部分を自動化する」
のが賢明だと考えます。
課題:導入後の保守も大変
私が使っていたWinActorでの体験ですが、
意外と大変なのが、導入した後です。
導入前にもちろんテストはするのですが、
使い始めると「急に動かなくなった」とか
「時々動かないことがある」といったことが
割と良くあります。
作り方の問題でもあるのですが、
- PCがたまたま重い
- 画面のレイアウトが少し変わった
- 特定のアプリケーションが開いている
- スクリーンセーバーが動いている
上記のような要因でも、正常に動かなくなる
ことがあります。
非常にデリケートな性質なので、
導入後も安心せずに、
しばらくは保守作業が必要となります。
まとめ:RPAを有効に活用するためには
このように、課題が多いRPAですが、
どのような条件で導入すれば、
有効に活用できるのでしょうか。
私はRPA導入に必要な条件を
以下のように考えます。
- 大量の単純作業が存在していること
- 作業のやり方が今後も変わらないこと
- RPAの専任者を先に決めておくこと
これまでの情報と合わせると、
単純、かつ不変である業務が存在し、
アルゴリズム等の知識を持った人が、
時間をかけて取り組むことが出来れば、
RPA導入は成功しやすい
と考えます。
RPAの導入を検討されている方は、
自身の業務と照らし合わせてみては
いかがでしょうか。
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