自動化ツールとして注目されている
「RPA(Robotics Process Automation)」ですが、
私も「WinActor」を業務で利用した経験があります。
利用していく中で、資格も取得しました。
その上で言いますが・・・
思っていたよりずっと難しい。
しかも、自動化できる業務がほとんど無い。
という感じで、効果はイマイチな印象でした。
実際にRPAツールを利用された方は
同じような感想を持つ人も
多いのではないでしょうか。
RPAが持つ課題とは何なのか、
どうすればRPAを有効に利用できるのか、
考えていきたいと思います。
前提として そもそもRPAは簡単ではない
RPAの商品紹介などを見ると、
「プログラミングの知識が無くても」
とか、
「誰でも簡単に」
といったキーワードを良く見ますが、
ここが、そもそも誤解を与える表現だと思います。
プログラミングが出来なくても問題は無いですが、
フローチャートやアルゴリズムの考え方は
ある程度理解していないと厳しいです。
WinActorの実際の画面は、
こんな感じです。
詳しい説明は省きますが、
余程単純な処理でない限り、
繰り返し・条件分岐といった処理が
どうしても必要になってきます。
そもそも手作業で面倒だと思っていることを
自動化しようとしている訳ですから、
そこまで単純な処理は扱わないんですよね。
「アルゴリズム???」
という方は、慣れるまでに時間がかかって
しまうでしょう。
課題:向き不向きが大きく、使える業務が限定される
実際にRPAを利用していても強く感じますが、
RPAには、導入に向いている業務と
向いていない業務があります。
例を軽く挙げてみます。
向いている業務
①同じことを繰り返す作業
②画面の入力作業
向いていない作業
①分岐が多い作業
②Excelでの作業
処理数の少ない単純作業は
RPAに向いています。
逆に処理数が多かったり、
分岐の条件が複雑だったりする処理は
作るのに非常に手間がかかるため、
RPAには不向きです。
自動化ツールの比較として
Excelのマクロが良く挙がりますが、
私個人の意見としては、
「マクロで出来るなら、マクロでやる方が良い」
です。
マクロの方が、困ったときの
情報量が圧倒的に多いです。
ものによってはRPAの方が作りやすい場合も
あるとは思いますが、
品質で見ると、マクロの方が良いものを作れる
可能性が高いと思います。
今度、RPAがさらに普及してくれば
話は変わりますが、
現状においては
「他のツールで出来ない部分を自動化する」
のが賢明だと考えます。
課題:導入後の保守も大変
私が使っていたWinActorでの体験ですが、
意外と大変なのが、導入した後です。
導入前にもちろんテストはするのですが、
使い始めると「急に動かなくなった」とか
「時々動かないことがある」といったことが
割と良くあります。
作り方の問題でもあるのですが、
- PCがたまたま重い
- 画面のレイアウトが少し変わった
- 特定のアプリケーションが開いている
- スクリーンセーバーが動いている
上記のような要因でも、正常に動かなくなる
ことがあります。
非常にデリケートな性質なので、
導入後も安心せずに、
しばらくは保守作業が必要となります。
まとめ:RPAを有効に活用するためには
このように、課題が多いRPAですが、
どのような条件で導入すれば、
有効に活用できるのでしょうか。
私はRPA導入に必要な条件を
以下のように考えます。
- 大量の単純作業が存在していること
- 作業のやり方が今後も変わらないこと
- RPAの専任者を先に決めておくこと
これまでの情報と合わせると、
単純、かつ不変である業務が存在し、
アルゴリズム等の知識を持った人が、
時間をかけて取り組むことが出来れば、
RPA導入は成功しやすい
と考えます。
RPAの導入を検討されている方は、
自身の業務と照らし合わせてみては
いかがでしょうか。
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